【10月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は27日、開幕が迫ったW杯カタール大会(2022 World Cup)は、中東地域が「偏見」を払拭(ふっしょく)するチャンスだと述べ、人権問題で批判されるカタールを擁護した。

 隣国サウジアラビアの投資家向けイベントにオンラインで参加したインファンティーノ会長は、同大会が「カタールおよび(中東)地域全体が別の角度から、別の方法で世界にアピールし、残念ながらいまだ存在するあらゆる偏見を一掃する機会」だと語った。

 カタールをめぐってはこの2日前、移民労働者の待遇や、LGBTQ(性的少数者)や女性の権利といった問題への批判に対し、タミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長が、「二重基準」を含んだ「前代未聞の活動」だと反論していた。

 カタールには人権問題をめぐって厳しい目が向けられている一方で、労働条件や労働慣行の改革には、以前政府と対立していた労働組合のトップから評価の声も上がっている。

 インファンティーノ会長も、そうした改革について強調し、「真の変革がすでにいくつか実現している。例えば、現在もこれまでも重要だった労働者の権利に関して言えば、全労働者を対象に最低賃金が同地域で初めて導入された」とコメント。

「労働者福祉の面で重要な改善」があったとも指摘し、「こうした変革はここ数年カタールだけで実現している」と話した。(c)AFP