【10月26日 CNS】中国でも初音ミク(Hatsune Miku)のようなバーチャルアイドルが次々と生まれ、徐々に人気が高まっている。

 さまざまなオンラインパーティーに出没するボーカロイド「洛天依(Luo Tianyi)」やライブ配信などで活躍するアイドルグループ「A-SOUL」、次々と楽曲をリリースしているボーカロイド「楽正綾(Yue Zheng Ling)」などオリジナルのバーチャルアイドルたちだ。

 彼女たちはリアルな世界に存在していないが、オンライン上でのファンとの交流によって独特のコミュニティーが形成され、新たなトレンドが生み出されている。

 中国のバーチャルアイドル界は主に、歌を歌うボーカロイド、動画や音声ファイルなどネット上に投稿する「up主」、ブロガーによって構成されている。ファンにとっては、バーチャルアイドルたちと歌ったり踊ったり、ゲームをしたり、おしゃべりをしたりして交流することで「次元の壁」を壊していくことができる。

 バーチャルアイドル業界は初音ミクなど日本発のトレンドだったが、最近では中国のインターネット企業やベンチャーキャピタルなどが次々と参入してきている。

 中国のオンライン動画サイト「ビリビリ動画(bilibili)」は、中国最大のバーチャルアイドルコミュニティーだ。騰訊(テンセント、Tencent)は、オンラインゲーム「王者栄耀」のバーチャルアイドルグループ「無限王者団」を立ち上げた。Eコマース大手の阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)も、バーチャルキャスター「Mika」を登場させている。

 中国の市場調査会社によると、中国のバーチャルアイドル産業の市場規模は2022年には13億元(約264億9712万円)に達すると予想される。

 テンセント関連部門の劉智鵬(Liu Zhipeng)副部長は「この業界はまだ初期の模索段階にある。良質なプロジェクトを企画して投資を呼び込み、技術を発展させることで、より多くのユーザーを引きつけていきたい」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News