【10月25日 AFP】23日に行われた22F1第19戦米国GP(United States Grand Prix 2022)決勝で、アルピーヌ(Alpine F1)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が運良く助かった高速クラッシュが起きたことを受け、元インディカードライバーであるダリオ・フランキッティ(Dario Franchitti)氏は24日、危険走行への取り締まりを呼び掛けた。

 インディカーシリーズで2007年、09年、10年、11年と通算4度の年間優勝を誇り、07年、10年、そして12年にはインディアナポリス500(Indianapolis 500)制覇を果たしているフランキッティ氏は、自身のツイッター(Twitter)アカウントで「ストレートでのこうしたいきなりの進路変更は死者を出してしまう」と警告した。

 フランキッティ氏が「国際自動車連盟(FIA)は、こうした振る舞いについて一度、全面的に取り締まるときがきた。こうした走行は、ジュニアレベルにも影響を与えている」と直接的に言及したのは、アストンマーティン(Aston Martin F1)のランス・ストロール(Lance Stroll)がきっかけとなり米国GPのレース22周目に起こした事故だった。

 F1で通算2度の選手権制覇を誇り、来季からアストンマーティンに加入するアロンソは、ストロールが前をふさごうとした動きによって同選手のリアタイヤに追突。これがエアボーン・クラッシュとなり、マシンは高速でバリアーをこすったが、無傷で逃れてピットインし、レースを続行した。

 41歳のアロンソは事故を振り返り「宙を舞うと自分がどこにいるのか分からなくなるので、良いことではなかった」と恐怖を感じたことを認めた。

 さらに「金網にぶつかったら、360度回転してしまう。こうした事故はインディカーで何度も目撃していて、本当に危険だ」とし、「だから、あのフェンスにぶつかって終わると思った。こうしてここで話せてうれしいよ。病院に搬送されていた可能性が高かったからね。そうならなくて良かった」とも話した。

 アロンソは見事7位でフィニッシュしたものの、レース後には新たな試練が待っていた。事故の際に損傷した右のサイドミラーが緩んでその後落下したことについて、ハース(Haas F1 Team)が危険だったと抗議。これで30秒のペナルティーが科され、15位に降格となった。

 これに対してアルピーヌは、制限時間を24分間過ぎていたとして、ハースの抗議の有効性に異議を唱えた。また、アロンソのマシンが、スチュワードによって安全と判断されていたとも付け加えた。(c)AFP