【10月22日 AFP】仏パリで先週、12歳の少女が性的暴行を受け殺害される事件があり、移民の女が殺人などの容疑で逮捕された。女は不法滞在により国外退去を命じられていたことが判明。右派政治家からは政府への批判が噴出したが、被害者の両親は21日、事件を政治利用しないよう訴えた。

 名前を「ローラ」とのみ公表されている少女は先週、パリ北東部で行方不明になった後、遺体がプラスチック箱の中に入れられた状態で発見された。

 逮捕された女はアルジェリア人で、精神疾患の病歴があった。検察当局によると、取り調べに対し、ローラさんと同じ建物に住んでいた親族のアパートにローラさんを誘い込み、シャワーを浴びさせた後、性的暴行を加えて殺害したと供述。捜査当局の調べからは、女が学生ビザ(査証)の失効後も滞在を続け、今年8月に30日以内の出国を命じられていたことが判明した。

 保守派や極右政党は事件に乗じ、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権が移民法の執行を怠っていると批判。厳格な送還措置が講じられていれば事件を防げたはずだと主張した。

 パリで20日に行われた極右デモでは、ローラさんの写真を掲げる参加者の姿も見られた。これを受け、ローラさんの両親は代理人弁護士を通じ声明を出し、政治家に対して事件を利用しないよう要請。インターネット上や抗議デモでローラさんの名前や画像を政治利用する行為を即刻やめるよう訴えた。(c)AFP