【今週のSDGs Picks】高校生がソーラー電車開発 通勤に苦労する親をサポート 南ア
このニュースをシェア
【10月23日 AFP】南アフリカの若者たちは、日々の電車通勤に苦労する親の姿を長年見続けてきた。しばしば起きる停電やケーブルの盗難で鉄道が頻繁にストップするのだ。
そうした状況を何とかしようと、10代の若者20人が太陽光だけで走る電車を開発した。100%太陽光エネルギーで走る電車は同国初だ。
首都プレトリア北郊ソシャングベ(Soshanguve)地区。屋根の上に太陽光パネルを搭載した青と白の車両が、18メートルのレールの上を進んでいく。
開発に携わった工業高校の生徒、ロニー・マシンディさん(18)は、「僕たちの親は電車に乗らなくなりました(中略)ケーブルの盗難や輪番停電が多いので」と語る。火力発電所が老朽化し、電力供給に支障が出ていると説明した。
南アフリカの電車は主に貧困層やワーキングクラスに利用されている。だが最近は、割高なミニバス型のタクシーで通勤する人が増えている。
現在、この試作車は、校庭に設置された線路を10往復できるまでになった。座席と薄型テレビスクリーンを載せた車両の製作には2年かかった。ソーラー電車は時速30キロで走行可能で先日、複数の大学が参加するイノベーション関連イベントでも披露された。
ソーラー電車プロジェクトの指導にあたった教師は「場所と資材、そしてほんの少しの導きがあればここの生徒たちは、世界中の学生たちと同じように何だってできるのです」と語った。
映像は9月20日撮影。(c)AFP