【10月20日 AFP】ロシアが併合を主張しているウクライナ南部ヘルソン(Kherson)州のセルヒー・フラニ(Sergiy Khlan)副知事は19日、同州の親ロ派当局が発表した州都ヘルソンからの市民退避は「強制移住」に等しいと非難した。

 フラニ氏は記者会見で、「ヘルソンで発表された退避は強制移住に等しいと考えている。その目的はヘルソンに一種の混乱とプロパガンダ(を促進する)イメージをつくり出すことだ」と糾弾。

 ヘルソン州はロシアが2014年にウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島に接しているが、フラニ氏は、住民の移送先が同半島ではなくロシア南部のクラスノダール(Krasnodar)地方になると指摘。「ロシアはソビエト時代と同じ強制移住を行っている」と主張した。

 一方、ロシアの国営通信各社が19日に報じたところによると、同国安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記は、同国が併合を宣言したウクライナ東部・南部4州からこれまでに約500万人がロシアに避難したと発表。ロシアはこれらの州で安全が確保され次第、住民の帰還を支援する意向だと述べた。

 ウクライナは、ロシアの侵攻を受け始めた当初から、同国がウクライナ国民を強制的に移送していると非難してきた。(c)AFP