【10月18日 AFP】英政府は18日、中国が自軍兵士の訓練のため英空軍パイロット経験者らをリクルートする活動に対して、「断固とした措置を取っている」と明らかにした。

 英国防省報道官はAFPに対し、「中国人民解放軍(PLA)の兵士訓練を目的に、英空軍の現役および退役パイロットをヘッドハントしようとする中国のリクルート活動を阻止するため、断固とした措置を取っている」と述べた。

 ジェームズ・ヒーピー(James Heappey)国防担当閣外相は英衛星放送スカイニューズ(Sky News)に対し、こうした事案は「国防省内で数年前から懸念されてきた」と認め、「われわれの空軍の能力を探るためのパイロットのリクルート活動は、国防省とその情報部門にとっての明確な懸念材料だ」と述べた。

 ヒーピー氏は、関与しているパイロットに対しては関係者がやめるよう警告を出してきたとしており、従わない場合は罪に問えるよう、法整備を進めていくと述べている。

 英メディアによると、中国側のこうした活動は2019年から行われており、最近になって活発化。これまでに元パイロット30人以上が最大24万ポンド(約4000万円)の提示報酬で勧誘に応じた。そのうちの多くは50代で、最近英空軍を退役した人だという。(c)AFP