【10月17日 AFP】英ロンドン中心部の高級住宅街パークレーン(Park Lane)で16日、環境団体「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の活動家が英高級車メーカーのアストンマーティン(Aston Martin)のショールームの壁にオレンジ色の塗料をかけ、座り込みを行った。

 ジャスト・ストップ・オイルは14日、ロンドンの美術館ナショナル・ギャラリー(National Gallery)でビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の「ひまわり(Sunflowers)」にトマトスープをかけたほか、ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)にスプレーを吹き付けるなどして、28人が逮捕されている。

 アストンマーティンのショールーム前での抗議に参加した妊娠中の女性(19)は、次世代の人類を守るために闘っていると主張。「動物や文化がどこへ消え、なぜミツバチがいなくなり、なぜおなかいっぱい食べられないのか、将来どうやって娘に説明すればいいのか」と訴えた。

 ジャスト・ストップ・オイルは、リズ・トラス(Liz Truss)政権がロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格高騰への対策として、沖合での化石燃料の新規掘削を許可すると発表したことを受け、抗議行動を強化している。

 15日には、動物の権利を訴える団体「アニマル・リベリオン(Animal Rebellion)」が、ロンドンの高級百貨店ハロッズ(Harrods)など英各地の高級食料品を扱う店舗で、牛乳を床にまいたり商品にかけたりして畜産の牛の禁止を訴えた。

 スエラ・ブレイバマン(Suella Braverman)内相は、こうした過激な抗議行動を取り締まる法律を1週間以内に制定すると発表。「英国民を人質にとるような抗議活動家には屈しない」「破壊行為はもちろん、このような深刻で危険な混乱を引き起こす行為は、表現の自由でも人権でもない。やめさせなければならない」と述べた。(c)AFP