西側からの武器「もっと必要」 前線守るウクライナ部隊
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【10月23日 AFP】ウクライナ東部ドネツク(Donetsk)州の最前線。銃声に続き、鋭い爆発音が鳴り響く。ウクライナ軍の突撃歩兵部隊が米国製のグレネードランチャー(擲弾〈てきだん〉銃)をロシア軍の陣地に向けて発射した。
今年2月、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始し、紛争が激化すると、同地域の前線に西側諸国からMk19自動擲弾銃などさまざまな武器が届くようになった。
ウクライナ軍の突撃歩兵部隊第5連隊はこの日、ロシア軍に占領された町ホルリウカ(Gorlivka)を見下ろす丘の林の中にいた。擲弾銃に40ミリグレネード弾を装填(そうてん)し、背の低い発射器に設置する。
部隊の兵士の服装はばらばらだった。
米軍の戦闘服を着た兵士もいれば、フランス軍の防弾チョッキや英国軍の砂漠用迷彩服を着た兵士もおり、サイズが合ったので選んだと話した。
ロシア軍部隊は800メートルほど離れた場所に陣取っていた。戦闘機がごう音を立てながら飛んで行く。どちら側のものかは不明だった。頭のかなり上で、銃弾が飛ぶ音がした。
無線で命令が入り、兵士がMk19を構え、ロシア軍が攻撃してくる方角に連射した。
弾が尽きると、兵士は急いで重さ35キロはあるMk19を取り外し、ロシア軍の砲撃に備えて後退した。
ウクライナ軍の兵士にとって、Mk19は心強い兵器だ。だが形勢を逆転するほどの威力はない。
兵士らは、最終的に勝利を収め、ロシア軍を東部から撤退させるには西側からの武器と弾薬がもっと大量に、しかも直ちに必要だと口をそろえた。
「間違いなく、もっと多くの大砲が要る」と将校は話した。
「大砲に関してはロシア軍の方が今も優勢なので、反撃しても追いつかない」
「ここでロシア軍を食い止めなければならないことを欧州に分かってもらう必要がある。欧州に至る前に、ここでだ」と、軍曹はロシア軍をこの前線で打ち破る重要性を訴えた。(c)AFP/Dave CLARK