【10月14日 AFP】ボクシング、元世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)は、WBC同級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)に敗れて以来約1年ぶりのリングで、かつてのスパーリングパートナーをKOして常勝の勢いを取り戻そうとしている。

 現在36歳のワイルダーは、米ニューヨーク州ブルックリン(Brooklyn)のバークレイズ・センター(Barclays Center)で行われる15日の一戦で、ロバート・ヘレニウス(Robert Helenius、フィンランド)と対戦する。

 2021年のファイト・オブ・ザ・イヤーと評価された昨年のフューリー戦で11回KO負けを喫したワイルダーに対しては、このまま現役を引退する方が賢明だとの声が多く上がっていた。しかし、アラバマ州出身でKOのスペシャリストとして名をはせた同選手はキャリア続行を決意し、まずは38歳のベテラン、ヘレニウスとのファイトに臨むことになった。

 通算戦績42勝(41KO)2敗1分けのワイルダーは、「俺とタイソン・フューリーは、特にファンにとって記憶に残る3度のファイトを行った。これからもそれを続けていきたい」と語った。

 ワイルダーが今回の試合に勝てば、2023年に元同級王者のアンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)との最後のノンタイトル戦に進み、さらにその勝者がフューリーとのタイトルマッチを行う可能性がある。

 しかしながら、ヘビー級の試合は水面下で契約が行われて確実なことはほぼないため、今のワイルダーはとにかく週末のヘレニウス戦で序盤に決着をつけることに集中している。

 ワイルダーは「自分が最大限の力を出すこと以外、常に何も期待することはない」とし、「時間外の報酬はもらっていない。俺はノックアウトで知られてきたし、ノックアウトを取り続けながらキャリアを終えるつもりだ」と意気込んだ。

 ワイルダーは昨年、フューリー戦を見据えて2メートルの長身を誇るヘレニウスをスパーリング相手に選んだ。これが初めてとなる同選手との本格的なファイトについては「面白くなるだろう」とし、「ロバートは素晴らしい選手で、二人とも戦士の心意気がある」と語った。(c)AFP