【10月16日 AFP】デンマーク女王マルグレーテ2世(Queen Margrethe II)が先月、孫4人から王子、王女の称号を剥奪すると発表した。4人の父親であるヨアキム王子(Prince Joachim、53)はこれに激怒。王室の内輪もめを公衆にさらす前代未聞のスキャンダルに発展している。

 マルグレーテ女王は先月28日、次男ヨアキム王子の子のニコライ王子(23)、フェリックス王子(20)、ヘンリック王子(13)、アテナ王女(10)について、来年1月1日以降は王子・王女の称号を使用できなくなると発表したが、反発を受け、今月3日に謝罪した。

 ただ、女王は、決定そのものに関しては、孫たちが王室の義務に煩わされることなく普通の生活を送れるようにするためだとして固持。「王族の称号を持つことは、多くの責任や義務を伴う。将来的には、より少ない王族がそれを担うことになる」と説明した。

 今回の発表は、欧州各国の王室で相次ぐスリム化の流れをくんでいる。だが、ヨアキム王子は冷遇と受け止め、メディアを通じて不快感をあらわにした。

「5月5日に私はある計画を提示された。私の子どもたちのアイデンティティーを、それぞれが25歳になったら剥奪するという件だ。アテナは(来年)1月に11歳になる」。ヨアキム王子は大衆紙BTに、この決定が前倒しされたことを「5日前に通知された」と明かした。

 ヨアキム王子の最初の妻で、ニコライ王子とフェリックス王子の母親に当たるアレクサンドラ伯爵夫人(Countess Alexandra)も、子どもたちともども「ショックを受けた」とBTに語った。ニコライ王子も悲しみを表明。大衆紙エクストラ・ブラデット(Ekstra Bladet)に「なぜ、このような事態が起きなければならなかったのか、とても困惑している」と話した。