【10月4日 AFP】オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相(55)が、自身の携帯電話にたまったテキストメッセージを長年削除し、適切に保存していなかったと指摘する政府報告書が3日、公表された。

 オランダ史上最長となる13年間首相を務めるルッテ氏は、これまでスキャンダルに見舞われたことがなく、「テフロン加工首相」とも呼ばれている。

 ルッテ氏は今年5月、使用しているノキア(Nokia)の古い機種の携帯電話のデータ保存容量を確保するため、テキストメッセージを削除していたと明らかにした。削除せずに保存しておくメッセージは自分で判断していたという。

 政府の情報検査部門がまとめた68ページに及ぶ報告書は、ルッテ氏と総務省によるテキスト削除でデータが失われたとし、「首相のチャットメッセージの保管が不十分だった」と指摘した。どれだけのメッセージが削除されたのかは把握できないという。

 日刊紙フォルクスクラント(Volkskrant)の情報開示請求により削除問題が明らかになると、ルッテ氏は不適切なことは何もしていないと主張していた。

 自転車で通勤するなど質素な生活スタイルで知られるルッテ氏は、文字が打ちにくいためスマートフォンはあまり好きではないとし、古い機種を使っていた。だが、削除問題の発覚後にスマートフォンに切り替えたという。(c)AFP