【10月2日 AFP】トルコは1日、ロシアによるウクライナ東・南部4州の併合は国際法の「重大違反」に当たると非難し、紛争終結のための交渉を呼び掛けた。

 トルコ外務省は声明で、同国は2014年のロシアによるクリミア(Crimea)半島併合と同様、9月30日にロシアが宣言した4州の併合も認めないと表明した。

 同省は「トルコは2014年の不当な住民投票によるクリミア併合を認めておらず、いかなる場合もウクライナの領土保全、独立、主権を強力に支持してきた」と強調。4州についても、「国際法が定める原則の重大な違反に相当する」と明言した。

 さらに「この紛争は深刻さの度合いを増しているが、交渉を通じての公正な和平実現によって終結させることを重ねて支持する」と述べた。

 ロシアは30日、占領したルガンスク(Lugansk)、ドネツク(Donetsk)、ヘルソン(Kherson)、ザポリージャ(Zaporizhzhia)の4州を併合する条約に調印した。しかし国際社会は、編入の是非を問う住民投票を「偽りの投票」として認めず、非難している。

 ロシアの石油・ガスに依存するトルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、7か月に及ぶ紛争を通じて中立を保ち、西側諸国の対ロシア制裁に加わることを控えてきた。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は先月、ウズベキスタンで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の際、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談もしている。

 一方、米国はトルコの銀行や企業に対し、西側諸国の対ロシア制裁に歩調をそろえるよう圧力を強めており、従わない場合はトルコ自身が二次的な制裁を受ける恐れがあると警告している。(c)AFP