【10月1日 AFP】実業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏は9月30日、同氏が率いる電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)の毎年恒例の「テスラAIデー(Tesla AI Day)」で最新型の人型ロボット「オプティマス(Optimus)」のプロトタイプを披露し、このロボットでいつか貧困を根絶できると主張した。

 オプティマスは、ステージ上で小型の台に取り付けられ、観客に手を振り、膝を上げてみせた。

 マスク氏は米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)で行われたイベントで、「私たちの目標は有用な人型ロボットを早急に造ることだ」と聴衆に向かって話し、「やるべきことはまだたくさんある」と続けた。

 プレゼンに登場したテスラのエンジニアは、テスラのオートパイロット技術を応用し、オプティマスには安全な歩行や工場での作業などを可能にする機能を持たせようとしていると説明した。

 マスク氏によれば、テスラはオプティマスの量産を目指しており、価格は2万ドル(約290万円)以下になる見込みだという。

 マスク氏は、オプティマスによって「豊かな未来、貧困のない未来、製品やサービスに関して欲しいものが手に入る未来が訪れる」と主張。「私たちが知っている文明に根本的な変革が起きる」と述べた。

 一方で殺人サイボーグをテーマにした大ヒット映画を引き合いに出し、「『ターミネーター(Terminator)』のような道を歩まないよう常に配慮したい」として、悪用できない停止ボタンなどの安全装置を組み込んでいると説明した。

 さらに、テスラでは工場で部品を運ぶなどの単純作業から試験運用を開始する予定だとして、3~5年以内には一般消費者も購入できるようにしたいと述べた。(c)AFP