【10月1日 AFP】先週のイタリア総選挙で第1党となった極右「イタリアの同胞(FDI)」のジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)党首は9月30日、ロシアのウクライナ4州併合は法的にも政治的にも根拠がないと批判し、ロシアの「新帝国主義」が欧州全土を脅かしていると警告した。

 メローニ氏は「ロシアによるウクライナ4州の併合宣言は暴力的な軍事占領下での偽の住民投票を受けて行われたもので、法的にも政治的にも何の意味もない」と述べた。

 さらに、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は「またしても新帝国主義的、ソビエト的なビジョンを示し、欧州大陸全体の安全保障を脅かしている」として、「ロシアが国家間の共存ルールをさらに侵害したことで、西側民主主義国が団結する必要性が改めて示されている」と訴えた。

 メローニ氏のコメントは、マリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相を含む欧州連合(EU)首脳による、ロシアのウクライナ4州併合を「決して認めない」という共同声明を反映している。

 メローニ氏率いるFDIはネオファシズムの流れをくむEU懐疑派のポピュリスト政党。9月25日の総選挙では得票率26%で首位に立ち、メローニ氏は右派連合による次期政権の首相になる公算が大きい。

 メローニ氏はEUのウクライナ侵攻をめぐる対ロシア制裁を強く支持しているが、連立を組む極右「同盟」のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長や中道右派「フォルツァ・イタリア(FI)」を率いるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相は、ロシアとの関係が深い。(c)AFP