【10月1日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は9月30日、ロシアのウクライナ4州併合を非難する決議案を採決し、常任理事国ロシアが拒否権を行使して否決した。15理事国のうち10か国が賛成、中国とインド、ブラジル、ガボンは棄権し、ロシアを支持する国はなかった。

 採決の数時間前、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は同国が占領したウクライナ4州の併合を発表していた。

 決議案は米国とアルバニアが作成。ロシアの拒否権行使は確実視されていたが、西側諸国はロシアの孤立を浮き彫りにすることを狙っており、この後は全加盟国が参加する国連総会(UN General Assembly)で改めて同決議案の採択を目指す。

 決議案は、ウクライナのロシア占領地域で行われた住民投票を「違法」と非難するとともに、すべての国に対し、ウクライナの国境線のいかなる変更も認めないよう求めるもの。また、ロシアに対しては、ウクライナから即時撤退し、2月24日に開始した侵攻を終わらせるよう求めている。

 和平の提案を行ってきたメキシコと、米主導の対ロシア制裁に難色を示してきたアラブ首長国連邦(UAE)は賛成に回った。(c)AFP