【9月30日 AFP】4月から約半年にわたりロシア軍に占領されていたウクライナ東部イジューム(Izyum)では、インフラが破壊され、テレビもインターネットもない状態が続いていた。だが今月上旬に街は解放され、仮設Wi-Fiスポットが設置されたことにより、住民は再びニュースに触れ、外界とつながった。

 あるアパートの外には、「Wi-Fi15分まで」と書かれた張り紙の前に数十人が並んでいた。人道支援スタッフに携帯電話を渡すと、パスワードを打ち込んでくれるシステムだ。

 住民によると、電力や携帯電話のインフラが戦闘で大きく破壊され、復旧が進まずに情報の途絶が続き、何が起きているか把握できなかったという。

 今は、1日当たりごくわずかな時間だが、ウクライナ軍が提供する発電機を使ってインターネットが使えるようになった。

 セラフィムと名乗る兵士はAFPに対し「毎日午前8時から午後7時まで、3000人から4000人が接続できる」と説明した。

 利用者の一人で、英語教師の女性(34)は「同時に接続する人が多過ぎると、ネットがダウンしてしまう。だから15分制限がある」と理解を示し、「これまで0分だったので、15分はかなり長く感じる。ネットでニュースをチェックして、情報ソースを確認したり、親戚と連絡を取り合ったりすることができる」と話した。

 Wi-Fiの順番待ちの列の横にはテレビが置かれ、ウクライナの放送局が侵攻関連のニュースを伝えていた。発電機には複数の延長コードがつながれ、地面に置かれた電源タップの周りには携帯電話を充電する人たちが集まっていた。(c)AFP/Peter MURPHY