【10月1日 CNS】「ペーパーレス化」や「デジタル化」の進展により、世界各国で万年筆、鉛筆など手書きと関連する商品のマーケットが縮小している。しかし一方、今年9月、小中学校の新学期開始に伴い、中国の手書き市場は最近、活発になってきた。「光るペン」「揺れるペン」「ストレスを減らすペン」など、さまざまな新商品が登場し、中国の若い消費者の注目を集めている。

 北京にあるショッピングモール・北京百栄世貿商城(Bairong World Trade Center)には、多くの文房具ブランド店舗が集まっている。新学期が始まる直前、店の棚には「新学期の必需品リスト」などと書かれた看板が掲げられ、児童や保護者で賑わっている。ある文房具の店長は「最近は朝から晩まで忙しく、文房具売り上げのピークを迎えた」と話した。

 中国には「文字」の美しさを重視する長い歴史がある。最近、生活のあらゆる面で「デジタル化」が深まっているが、「手書き業界」は依然として大きな潜在力があると関係者たちは考えているようだ。

 中国のデータ研究サイト「智研(Zhiyan)コンサルティング」が発表した「2022〜2028年中国文房具産業市場特別調査と発展戦略分析報告書」によると、中国の文房具産業の発展はほかの国と比べて遅く始まったが、急速な発展を遂げた歴史がある。2020年に、中国の文房具産業の生産額は1638億9100万元(約3兆3195億円)に達した。その中で、ペンなどの筆記用具は中国の消費者に最も多く使う文房具の1つで、2020年の生産量は463億300万本だ。

 現在、中国の著名なブランドがいくつか現れ、例えば晨光文具(M&G Chenguang Stationery)、得力(Deli)、斉心集団(Comix)、広博文具(Guangbo)などがある。多くの企業は外国のブランド品の受託生産から始まったが、その後、研究開発への投資を徐々に増やし商品を改良し独自のブランドを樹立した。たとえば、「小毛刷中性ペン」とよばれる小さなブラシ付きのゲルペンは、柔らかいシリコンブラシを使ったフィンガーカバーがあり、指先の圧力を緩和し、筆記による中指のたこを防ぐことができる。学生の間で非常に人気がある。

 中国の保護者たちは、より関心が高いのは、ペンを使用することの安全性だ。「香り付きペンは安全なのか?」「色ペンに含まれる鉛、ヒ素、アンチモンなどの成分は基準を超えていないのか?」など。国際的な文房具の安全基準の強化に伴い、中国政府は学生用品の要件、試験方法、ラベルを規定する「学生用品の安全に関する一般要件」を何度も改訂している。手書きの安全性の追求は、中国の手書き産業にとって重要な改善の方向性になったと言える。(c)CNS/JCM/AFPBB News