【10月7日 People’s Daily】世界で知られている1642種のタケ種の植物の中、中国は800種以上を有している、その名に恥じない「竹の王国」だ。2021年10月までに、中国には1億ムー(約6万6700平方キロメートル)以上の竹林があり、年間約4000万トンの竹材が生産されている。しかし、この数字は竹林の伐採可能量の4分の1程度にすぎず、多くの竹資源が未利用のままになっている。

 科学的かつ合理的な竹の伐採は、竹林の成長を損なうことはないだけでなく、竹林の構造を整え、品質を向上させ、安定的な高収量を促進し、竹林の生態的、経済的、社会的効果を十分に発揮させることができる。

 中国人は竹と共に歩んだ長い歳月の中で、建築、日用品、食料などさまざまな用途を開拓し、竹資源のパイオニアとなった。統計によると、中国の竹産業の生産額は2010年の820億9700万元(約1兆6600億円)から2020年には3217億9800万元(約6兆5300億円)に増加した。2035年までに、全国の竹産業の総生産額は1兆元(約20兆円)を超える見込みだという。ティッシュペーパー、ストロー、食器、住宅の建材等、中国産の竹製品は世界各国で販売されている。

 中国は竹産業で独自の優位性を培うことに努めると同時に、竹開発の技術や経験を共有することで、同じく竹資源が豊富な国や地域の貧困脱却や環境改善にも貢献している。

「竹は広く栽培されているバイオマス素材として、世界のグリーン発展を推進する上で大きな期待が寄せられている。竹材は汎用(はんよう)性が高く、廃材がほとんどないため、そのまま活用することができる」。国際竹籐ネットワーク(INBAR)の陸文明(Lu Wenming)副事務局長は、「さらに重要なことは、竹製品はそのフルライフサイクルを通して低炭素レベル、あるいはマイナスのカーボンフットプリントを維持するということだ。炭素吸収プロセスの観点からは、竹製品はプラスチック製品に比べ、カーボンフットプリントがマイナス値になる。竹製品は、使用後に完全に自然分解され、環境と人間の健康をよりよく守ることができる」と述べた。

 自然から人類に与えられた貴重な再生可能資源である竹は、環境を美化し、竹製道具になると同時に、世界のグリーン発展を推進する「炭素固定の神器」でもある。竹材は製品として製造すると、炭素隔離の長期効果もある。

 2022年6月24日、INBARが提案した「プラスチックの代わりに竹を用いる」イニシアチブが、世界発展ハイレベル対話の成果リストに含まれ、中国とINBARが共同で、プラスチック汚染の削減、気候変動への対応、世界のグリーン発展の支援に焦点を当てた活動を開始することになった。

 世界がグリーン発展に共に取り組んでいる今、竹は大いに活用できる天然の財産だ。中国の竹産業の隆盛に伴い、竹資源の管理・活用と技術革新は、世界の最先端を走っており、中国の知恵が詰まった「バンブー・ソリューション」は、緑の未来への無限の可能性を映し出している。(c)People’s Daily/AFPBB News