【9月30日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)で試合を裁く女性審判のステファニー・フラパール(Stephanie Frappart)氏は29日、大会に臨む3人の女性審判の存在は「強い合図」を送ることになると話した。

 カタールは人権と女性の社会的地位の問題で繰り返し批判されている。

 女性審判の草分け的存在であるフランス出身のフラパール氏は、「その国(カタール)で女性審判を起用するのは、国際サッカー連盟(FIFA)と責任者たちの強い合図です。私はフェミニストの代弁者ではありませんが、もしこれで事態が進展するのであれば…」と期待を示した。

 38歳のフラパール氏は、保守的なカタールで開催されるW杯に選ばれた36人の主審の一人で、女性ではルワンダのサリマ・ムカンサンガ(Salima Mukansanga)氏と山下良美(Yoshimi Yamashita)氏も名を連ねた。

 人権問題を抱えるカタールがW杯のホスト国に選ばれたことについて問われたフラパール氏は、「スポーツが役割を果たすこともあります」と答えた。

 クレールフォンテーヌ(Clairefontaine)にある仏代表の施設で会見に臨んだフラパール氏は、「私にはW杯開催地の決定権はありません。責任者たちが決定をしたのです」と話すと、 「その国では女性であることを常に意識させられます。3、4週間前に訪れましたが、歓迎されました」 と話した。

 数々の歴史的瞬間に立ち会ってきたフラパール氏は、女性審判で初めてUEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup 2019)決勝、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)、フランス杯(French Cup 2021-22)決勝で笛を吹いた。(c)AFP