■旧植民地の目覚め

 人種差別と植民地主義に関する未解決の問題は、チャールズ国王が英連邦56か国の長を引き継ぐに当たり、いっそう重要な意味を持つ。

 56か国の多くは英国の旧植民地で、総人口26億人の大半は非白人で30歳未満だ。

 英国の黒人史を研究した「Black and British: A Forgotten History(黒人と英連邦民:忘れられた歴史の意)」の著者デービッド・オルソガ(David Olusoga)氏は、英紙ガーディアン(Guardian)に寄稿。英連邦では「民衆が帝国主義と奴隷制の現実と遺産に目覚めた」にもかかわらず、王室は「意識の変化」を認識・理解することができなかったと指摘した。

 ウィリアム皇太子夫妻が今春行ったカリブ海諸国歴訪は、植民地主義の表れだと各方面から批判され、奴隷制について謝罪を求められた他、英王室は償うべきだと抗議を受けた。

 オルソガ氏は「歴史家は後世に、あの歴訪をポストエリザベス女王時代の始まりを示す最初の前兆として振り返るかもしれない」と述べる。

 その一方で、 チャールズ国王は、あまり公にならない形で差別対策に取り組んできたと言われている。

 英国の人種的不平等と取り組むNPO「オペレーション・ブラック・ボート(Operation Black Vote)」の副代表アショク・ビスワナサン(Ashok Viswanathan)氏は、チャールズ国王が自身の慈善団体「プリンス・トラスト(Prince's Trust)」を通じて、恵まれない若者や黒人コミュニティーと一緒に活動してきた実績が「それを物語っている」と述べる。

 ただし、黒人の英国人、特に若者を納得させるためには国王という「新しい役割の中でそうした関係を育んでいく必要がある」とくぎを刺した。(c)AFP/Marie GIFFARD