【9月28日 AFP】米ニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)にある米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)本社前で27日、イランにおける女性の権利を訴えるとともに同紙の偏向報道を非難するデモが行われ、イラン人と米国人の若者数十人が参加した。

 活動家のフォローザン・ファラハニ(Forouzan Farahani)氏(31)は、髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」の着用方法が不適切だとしてイランの風紀警察に逮捕されたマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が死亡したことに抗議し、ニューヨーク・タイムズ本社前の歩道にひざをついて頭をそった。

 イランではアミニさんが9月16日に死亡して以降、女性主導で治安当局の弾圧に対する抗議行動が続いており、人権団体によると、これまでに75人が死亡している。

 ファラハニ氏は、ニューヨーク・タイムズが近年、イランについて報じる際の「偏見と選択的な物語」にも抗議しているとして、「ニューヨーク・タイムズは中立的な立場を取っていないので、ここに来て抗議すべきだと思った」とAFPに語った。

 デモ隊は、ニューヨークを拠点にイランでの抗議行動について報じているファルナズ・ファッシヒ(Farnaz Fassihi)記者を名指しで非難した。

 ニューヨーク・タイムズの広報担当者は「25年にわたり中東を取材してくた経験豊富な記者、ファルナズ・ファッシヒが主導するイランでの騒乱の報道を本紙は支持する」とAFPに語った。

 さらに「きょう示されたように、イランの権威主義的指導者の責任を問う独立した信ぴょう性の高い報道を理由に、ファッシヒは日常的に不当な嫌がらせや脅迫を受けている。イラン全土で行われている反政府デモを取材する本紙の他の記者と同じように、今後も報道を続けていく」とした。 (c)AFP