■世界中が北朝鮮に制裁を科す見込みは低い

 梨花女子大学(Ewha Womans University)のレイフエリック・イーズリー(Leif-Eric Easley)教授は、金正恩氏は自らの政権中枢を狙った「首切り攻撃」や、自国の戦略兵器に対する米国や韓国の先制攻撃を恐れ、「無責任にも危険で攻撃的な核ドクトリンを喧伝(けんでん)」することを選択したと指摘する。

 米韓両国は、北朝鮮の新法を激しく非難し、核兵器使用の試みには「断固とした」報復措置を取ると警告している。だが仮に北朝鮮が実行しても、世界中が米韓に賛同して北朝鮮に制裁を科す見込みは低い。

 米シンクタンク「ローグステーツプロジェクト(Rogue States Project)」のハリー・カジアニス(Harry Kazianis)代表はAFPに対し、「ロシアと中国が米国の敵なのは明らかで、北朝鮮は、制裁を受けたとしても非常に緩いものにしかならないことを分かっていてつけ上がっている」と指摘。

 だからこそ北朝鮮は、「一瞬で数百万人を殺せる世界水準の計画」に注力してきたのだという見方を示した。(c)AFP/Claire Lee and Kang Jin-kyu