【9月23日 CNS】「超音波専門医を至急、募集しています。宿泊施設を提供し、報酬は最大30万元(約614万円)です」

 中国・広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)竜華区(Longhua)のある病院が最近、公式アカウントでこんな募集広告を発表した。中国では超音波専門医が少なくとも15万人不足しており、インターネットでは同様の募集広告が相次いでいる。

 中国には約20万人の超音波専門医がいるが、超音波検査は年間約20億件に達し、年間2億件のCT検査をはるかに上回っている。超音波専門医を養成するには一般的に3~5年かかり、専門医不足のため検査予約が取りにくい状態だ。

 超音波による画像解析の作業は複雑で、医師の経験に大きく依存する。最近は人工知能(AI)が多くの分野で応用されているが、国家食品薬品監督管理局が登録認証したAI医療画像製品は主にエックス線とCTの分野に集中している。

 現在のAI超音波技術はリアルタイム診断機能が劣り、3次元構造の認識能力にも欠点がある。中山大学(Sun Yat-sen University)付属第一病院産婦人科超音波部門の教授兼主任医師の謝紅寧(Xie Hongning)氏は「現在の大半のAI超音波システムは専門医のような3次元認識能力に到達していない」と話す。

 産業調査機関の頭豹研究院によると、AI医療画像市場は成長を続けており、2021年の8億2000万元(約168億円)から2025年には1376億元(約2兆8159億円)に増加するとみられる。広東省AI産業協会の張崟(Zhang Yin)常務副会長兼事務局長は「国の政策と市場の需要に後押しされて、画像認識システムの開発が進むことを期待している」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News