【9月22日 AFP】サッカーのエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(当時28)が死亡した小型機墜落事故の操縦士が、事故前に「壊れそうな」機体だと不満を漏らしていたことが分かった。英BBCが音声を入手した。

【特集】エミリアーノ・サラ選手搭乗機の墜落事故

 2019年に発生したこの事故では、仏ナント(Nantes)から英カーディフに向かうサラ選手を乗せた小型機パイパーマリブ(Piper Malibu)がイギリス海峡(English Channel)で墜落。同選手と操縦士のデビッド・イボットソン(David Ibbotson)さん(当時59)が命を落とした。

 BBCが入手した電話音声の中で、イボットソンさんは他のパイロットに対し「壊れそうなミラージュ(小型機)で彼(サラ選手)を迎えに行くように言われた。普段はライフジャケットをシートの間に置いているが、あしたは着る。間違いないよ」と話していた。

 さらに、この機体で以前に飛んだときに大きな音を耳にし、左のブレーキペダルが利かなかったと伝え、「この航空機は格納庫に戻されなければならない」と語っていた。

 また、サラ選手も「ばらばらになりそうな」機体で「怖い」と友人にボイスメッセージを送っており、不安を口にしていたことが分かっている。

 事故をめぐっては、フライトを手配したデビッド・ヘンダーソン(David Henderson)被告(67)が昨年11月、資格がないと分かっているパイロットを雇ったり、有効な許可なしで乗客を運んだりした罪で禁錮1年6月の判決を言い渡された。(c)AFP