【9月22日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は21日、予備役の部分的動員を発表した演説で、ウクライナ侵攻で核兵器を含めすべての軍事手段を行使する用意があるとし、「はったりではない」と表明した。

 ウクライナ南部・東部のロシア軍支配地域では今週、ロシア編入に向けた住民投票が実施される予定。ロシアが同地域を併合すれば、ウクライナ軍がロシア領土を攻撃していると主張することが可能になるため、紛争が大幅に激化する恐れがある。

 プーチン氏は事前収録された国民向けテレビ演説で、西側諸国がウクライナ支援を通じロシアの「破壊」をたくらんでいると非難。ロシアは、ウクライナで「自分たちの将来を自ら決める」ことを願っている人々を支援する必要があると述べた。

「わが国の領土保全が脅かされた場合、ロシアとその国民を守るためにすべての手段を行使するのは確かだ。はったりではない」と言明。「われわれを核兵器で脅迫しようとするものは、風向きが自分たちの方向にも向くことを覚えておくべきだ」と警告した。

 米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)報道官はABCテレビの番組「グッド・モーニング・アメリカ(Good Morning America)」で、米国はプーチン氏の核兵器発言を「非常に深刻にとらえている」とし、「核保有国として無責任な発言だ」と批判。

 北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長も、プーチン氏の発言を「危険で無謀」と非難した。

 一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、独紙ビルト(Bild)が同日掲載したインタビューで、プーチン氏が核兵器を使用することはないとの見方を示した。

 映像前半は21日のプーチン氏の国民向けテレビ演説の一部。後半は米NSCのカービー報道官とNATOのストルテンベルグ事務総長の資料映像。(c)AFP