【9月22日 AFP】世界最優秀選手賞「バロンドール(Ballon d'Or)」を主催する仏サッカー専門誌「フランス・フットボール(France Football)」は21日、元ブラジル代表MFのソクラテス(Socrates Brasileiro Sampaio de Souza Vieira de Oliveira)氏の名前を冠した人道賞「ソクラテス賞(Socrates Prize)」を今年から創設すると発表した。

 同賞は最も社会的な取り組みをした選手に贈られ、対象となる内容には、社会統合や環境保護の促進をはじめ、恵まれない人たちや危機的状況にある人たち、紛争犠牲者への支援が含まれる。

 2011年に57歳で死去したソクラテス氏は、医師免許も持っていた人物。フランス・フットボール誌は賞の名前にソクラテス氏を選んだ理由について、同氏が当時軍事独裁政権下にあったブラジルで、所属するカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のコリンチャンス(Corinthians)で「コリンチャンス民主主義」と呼ばれる運動を展開したことを挙げた。

 ソクラテス氏はクラブの運営に関する決定を投票で決めることなどを主張し、クラブに対しては政府から政治的干渉をやめるよう警告もあった。だが、選手は知名度の高さに加え、民主主義の導入をクラブ内に限定していたことから、処分はされなかった。

 今年のバロンドール授賞式は、10月17日にパリで開催される。(c)AFP