【9月21日 AFP】米国・カナダ両軍の艦艇が20日、台湾海峡(Taiwan Strait)を航行した。米国には、カナダと共同作戦を展開することで、国際航路としての台湾海峡の位置付けを強化する狙いがある。

 米海軍第7艦隊(US 7th Fleet)は、米軍のミサイル駆逐艦「ヒギンズ(USS Higgins)」とカナダ海軍のフリゲート艦「バンクーバー(HMCS Vancouver)」が「国際法に基づいて、9月20日に定期行動として台湾海峡を通過した」と明らかにした。その上で「同艦はいずれの沿岸国の領海からも離れた海峡の航路を通過した」と強調した。

 カナダのアニタ・アナンド(Anita Anand)国防相は声明で「本日の定期的な台湾海峡の通過は、自由で開かれた包括的なインド太平洋に対して、われわれが関与し続けることを示している」と述べた。

 カナダのフリゲート艦は、北朝鮮に対する国連(UN)制裁の監視行動に加わるため、台湾海峡を通過したという。

 中国中央テレビ(CCTV)によると、東部戦区(Eastern Theatre Command)の報道官は「軍は常に高度警戒態勢にあり、脅威や挑発に対して断固として対抗し、国家主権や領土の一体性を断固として守る」と述べた。
 
 中国政府は、台湾と台湾海峡の双方が自国の主権下にあると主張。米国はこの主張に対抗するため、「航行の自由」を盾に台湾海峡を通過しており、西側の同盟国が作戦に加わるケースが増加している。(c)AFP