【9月21日 AFP】フランス検察当局は20日、暗殺を企図して使用されたとみられる赤色のレーザー光を目撃したとの反体制派の亡命ロシア人の訴えについて、当局が捜査していると明らかにした。

 身の危険を訴えているのは、フランスに亡命し、南西部沿岸のリゾート地ビアリッツ(Biarritz)に在住するウラジーミル・オセチキン(Vladimir Osechkin)氏。ロシア各地の刑務所に情報源を持つ活動家団体「グラグ・ネット(Gulagu.net)」を運営している。

 妻子と共に自宅にいたオセチキン氏は、暗い部屋の中で仕事をしていた12日、暗殺の標的になった可能性があるとしている。
 
 オセチキン氏はAFPの電話取材に対し、「バルコニーの手すりで赤い点が動いているのに気付き、それは私に向かって壁を移動してきた」と述べた上で、「私たちは消灯し、床に伏せた。シャッターを閉めて警察に通報した」と当時の状況を説明した。警察官や近隣住民は、発砲音を聞いたと話しているという。

 ビアリッツに隣接するバイヨンヌ(Bayonne)の検察当局者は、オセチキン氏に対する「殺害脅迫」に関しては、3月10日からすでに予備的な捜査を開始していると述べた。検察当局者は、これらの脅威を「非常に深刻に受け止めている」と表明した。

 同氏は2月に自身が暗殺対象になっていることを知らされ、警察の保護下に置かれた。10日前には、「ロシアの犯罪集団のボス」がビアリッツ周辺での殺害任務を受け、フランス入りしたとの情報を得たとしている。

 検察当局者は「オセチキン氏が先週、暗殺の対象になったとの仮説を裏付ける具体的な要素はない」と強調した。ただし西側諸国や活動家は、ロシアが海外で反体制派を暗殺する可能性があると指摘している。(c)AFP