【9月17日 AFP】サッカースペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でプレーするブラジル代表のFWビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)がスペイン人の代理人から人種差別的な言葉で批判されたことを受け、ペレ(Pele)氏やネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)ら母国のビッグネームが16日、怒りをあらわにした。

 スペイン・サッカーエージェント協会(AEAF)でトップを務めるペドロ・ブラボ(Pedro Bravo)氏は、15日に放送されたスペインのサッカー番組で、ビニシウスにトレードマークのダンスで得点を喜ぶのをやめるよう訴え、その際に「猿芝居のようだ」と発言した。

 これに対し、ペレ氏は「サッカーは喜びであり、ダンスだ」とインスタグラム(Instagram)で非難。「残念ながら人種差別は依然として存在するが、われわれの笑顔を絶やすことは許さない。これからも、自分たちの幸福と尊重される権利を守るために、こうして人種差別と毎日闘い続けていく」と書き込んだ。

 フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)でプレーするネイマールは、「BAILA VINI JR(踊れ、ビニシウス)」とポルトガル語で投稿。ブラジルのツイッター(Twitter)では、#BailaViniJrのハッシュタグがトレンドのトップになった。

 ファンやサッカー界の仲間から支援の声があふれる中、ビニシウスも動画で自身のコメントを発表。「ある発言の中で、外国人嫌悪と人種差別の被害に遭った」と述べ、「こうしたダンスは世界の文化的多様性を祝福するものだ。あなたがそれを受け入れようが、尊重しようが、はたまた気が狂おうが、自分はやめるつもりはない」と主張した。

 ブラジルサッカー連盟(CBF)もビニシウスへの連帯を示し、今回の「人種差別的な発言」を非難。所属するレアルも「人種差別的、外国人嫌悪的なあらゆる発言」は受け入れられないとして、「法的手段を取る」意向を示した。

 ブラボ氏はツイッターで謝罪し、「『ふざけている』という意味で比喩した表現の使い方が悪かった」と弁明した。(c)AFP