【9月17日 CGTN Japanese】若者の間ではここ数年、漢民族の伝統的服装を模した「漢服」が流行しています。漢服はゆったりとした衣装で、かんざしにうちわを用いる特徴もあります。漢服ファッションの隆盛にともなって、「漢服経済」が大きく促されることになりました。経済業界のデータ分析を専門とする艾媒諮問(iiメディアリサーチ)が発表した「2022~23年中国漢服産業の現状と消費行動のデータ研究リポート」によれば、2022年の漢服経済市場の規模は前年比23.4%増の125億4000万元(約2590億円)に達する見込みです。同リポートは、市場規模は2年後の2025年には191億1000万元(約3950億円)に達すると予想しました。同リポートはまた、漢服経済の好調が関連産業の誕生や活性化にもつながったと指摘しました。

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 29歳の孫珊さんは漢服のドレッサーで、中国風の撮影スタジオを設立して、漢服愛好者に化粧や、着付け、レンタル、撮影などのサービスを提供しています。彼女は「今年の9月10日の中秋節(旧暦8月15日)前後には、予約が約20件に達した。多くの若者にとって、伝統服で中秋節を迎えることはファッションだ」と説明しました。

 26歳の林さんは、「かんざしデザイナー」で、顧客がオンラインのプラットフォームを通じて送ってきた、お気に入りのかんざしの図をもとに、自宅に設けたアトリエで製作しています。完成品は注文客に配送されます。林さんは今の仕事について、「注文が増えており、月収は2万元(約41万円)に達した」と説明してくれました。

 1990年代生まれの思源さんは漢服デザイナーで、「この仕事を始めてもう6年たった。主に、漢文化の要素を取り入れた普段着をデザインしている」と話しました。仕事については「普段着は応用範囲がより広く、伝統文化を広めていくのに役立つと思う」と説明しました。

 投資家が漢服市場の将来性に注目していることで、投資意欲が高まっています。2020年9月には、漢服のブランド「重回漢唐(「漢と唐の時代に戻る」の意)」は投資家からの資金調達を2ラウンド行ったほか、戦略的融資を受けました。2021年4月には、漢服と中国風のブランド企業である十三余の傘下会社である杭州達哉文化有限公司のAラウンド資金調達額は1億元(約21億元)を上回りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News