【9月12日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、東部の要衝イジューム(Izium)を奪還したと発表した。また、ロシアが意図的に民間インフラを攻撃して大規模な停電を引き起こしたと非難した。

 ウクライナ東部では11日夜、広域で停電が発生した。ゼレンスキー大統領は、「ハルキウ(Kharkiv)州とドネツク(Donetsk)州の全域、ザポリージャ(Zaporizhzhia)州、ドニプロペトロウシク(Dnipropetrovsk)州、スムイ(Sumy)州の一部が停電に見舞われた」と説明。「非軍事施設が標的にされた」「目的は住民から明かりと熱を奪うことだ」として、ロシア軍は「テロリスト」だと非難した。

 ロシア軍の攻撃により、鉄道網にも影響が出ている。国営ウクライナ鉄道(Ukrainian Railways)は、国内第2の都市ハルキウを含む東部全域で運行に遅延が発生していると明らかにした。

 東部で反転攻勢に出たウクライナ軍は、ロシア軍の不意を突く進撃速度で、数か月間にわたり占領下にあった広い地域を取り戻した。ウクライナ軍がソーシャルメディアに投稿した画像には、ロシア軍が退却の際に遺棄していった軍事物資が散乱している様子が写っている。

 ウクライナ軍司令官は11日、今月初めの反攻開始以降、これまでに3000平方キロを奪還したと発表した。

 ドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は、反攻が成果を挙げているのは西側から提供された高性能兵器の貢献によるものだとして謝意を表明。「迅速な物資供給によって勝利と平和が近づく」とし、さらなる支援を訴えた。

■原発リスク「ロシアが原因」

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は11日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と電話会談した。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)によるとプーチン氏は、ロシア軍が占領しているウクライナ南東部ザポリージャ原子力発電所について、ウクライナ側の「頻繁な攻撃」によって「破滅的な結果がもたらされる恐れがある」と改めて批判した。

 仏大統領府によれば、マクロン氏は「ロシアの占領が(核)リスクの原因だ」と返した。(c)AFP/Emmanuel PARISSE with Anna KORIAGINA in Kyiv