【9月10日 AFP】ウクライナ政府と欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)、世界銀行(World Bank)は9日に公表した報告書で、ロシアの侵攻を受けたウクライナの復興費用は3490億ドル(約50兆円)に上ると試算した。

 同報告書は、この試算は最も低い見積もりで、戦闘が続けばさらに膨らむ見通しだと指摘。2月24日の侵攻開始から6月1日までの直接的な損害のみで970億ドル(約14兆円)に上っているという。

 世界銀行のアンナ・ビエルデ(Anna Bjerde)副総裁(欧州・中央アジア担当)は、「ロシアのウクライナ侵攻は多大な犠牲を強いており、多数の民間人の死傷者や数百万人の避難民を生み、住宅や企業、社会制度、経済活動などを広範囲にわたって破壊している」と述べた。

 報告書は、今後3年で緊急性の高いニーズに対応するため1050億ドル(約15兆円)が必要になると試算。具体例として、教育や医療システム、インフラの復旧、家庭の暖房や電力の復旧などによる冬への備え、農業支援、主要な輸送路の修復などを挙げている。(c)AFP