【9月9日 AFP】ウクライナは8日、同国に侵攻したロシア軍から多数の町や村を奪還する大きな戦果を収めたと主張した。米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は同日、ウクライナの首都キーウを電撃訪問し、同国や周辺国に対する28億ドル(約4000億円)規模の追加軍事支援を表明した。

 ウクライナ側の発表によると、同国軍は北部、南部、東部で攻勢に成功し、ロシア軍に占領されていた領土を奪還。ウクライナ軍幹部のオレクシー・フロモウ(Oleksiy Gromov)氏は、同国軍が国内第2の都市ハルキウ(Kharkiv)周辺でロシア軍の陣地に50キロ攻め入り、20以上の町や村を「解放」したと説明した。

 ブリンケン国務長官はこの日、ウクライナ側の機運を高めるべく、侵攻が始まって以来2回目となるキーウ訪問を事前予告なしに実施。同国のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談し、軍事支援について協議した。

 ブリンケン氏に国家勲章を授与したゼレンスキー氏は、米国からの「多大な支援」に感謝し「わが国の領土を奪還できるという保証」になると評価した。ブリンケン氏は「侵略が終わり、ウクライナが完全に主権を回復するまで」米国は支援を続けると約束した。

 今回の支援には、近く供与される6億7500万ドル(約970億円)分の武器・弾薬・物資のほか、ウクライナが米国から装備を追加購入するための長期融資や助成金として拠出する10億ドル(約1400億円)が含まれる。

 米国務省はまた、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国や、独立を目指す親ロシア派地域を持つモルドバとジョージアなど、ロシアの脅威に直面しているとされる18か国に対する12億ドル(約1700億円)規模の支援も承認した。(c)AFP/Dmytro Gorshkov with Sylvie Lanteaume at Ramstein Airbase, Germany and Shaun Tandon in Rzeszow, Poland