【9月8日 AFP】米政府は8日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、榴弾(りゅうだん)砲など6億7500万ドル(約970億円)に上る追加軍事支援を実施すると発表した。

 ロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官は、ドイツ南西部ラムシュタイン(Ramstein)にある米空軍基地で開かれたウクライナ防衛に関する関係国会合に出席。「われわれは戦場での共通の努力の成果を実証している」と述べ、ウクライナはロシア軍に抵抗しているのみならず、南部では反転攻勢に出ているとの見方を示した。

 追加支援には、105ミリ榴弾砲や、標的を正確に攻撃できる誘導型多連装ロケット発射システム(GMLRS)の砲弾などが含まれる。

 米国が最近ウクライナに供与した兵器で大きな戦果を挙げているのは、高機動ロケット砲システム「ハイマース(HIMARS)」で、GMLRSの砲弾は最大80キロ離れた標的を正確に攻撃できる。

 ただ、ウクライナが供与するよう要求している射程300キロの地対地ミサイル「ATACMS(エータクムス)」については、ミサイルがロシア領内に着弾して戦線拡大の懸念があるとして、米政府は供与を拒んでいる。

 ウクライナ政府は西側諸国に対し、より強力な兵器の供与を重ねて要請。ウクライナのデニス・シュミハリ(Denys Shmygal)首相は4日にドイツを訪問した際も、改めて武器の供与を求めていた。(c)AFP