「日本式マグロ味」に「白桃ウーロン味」 中国で新作の月餅が人気
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【9月9日 CNS】中国では9月10日、三大節句の一つ「中秋節(旧暦の8月15日)」を迎える。日本で中秋の名月というと月見団子が定番なのに対し、中国では丸い形状が家族団らんを象徴しているとして「月餅」を食べ、中秋節は「月餅節」とも言われる。
月餅は伝統的に小豆や五穀、ハスの実などを餡(あん)の材料にするが、最近は新しい味が次々と登場している。
上海市のある老舗ブランドは「ココナツラテ味」「アボカドクルミ味」「白桃ウーロン味」「パルマハム味」などのオリジナル月餅を発売し、人気を集めている。別の店も「フォアグラ味」「四川ピリ辛味」「日本式マグロ味」の月餅を発売した。
中国の有名チェーンは、海外ブランドと連携して人気小説「ハリー・ポッター」シリーズの月餅ギフトボックスを発売し、SNSで話題に。中国美術館(National Art Museum of China)は近代中国画の巨匠・斉白石(Qi Baish)の絵画を取り入れた月餅を発売し、話題を呼んでいる。
艾媒諮詢(iiMedia Research)コンサルタント会社のリポートによると、消費市場の新しい主力となっているZ世代を意識した多様な月餅が増え、若年層の76.5%が「月餅を購入する際、新しい味を選ぶ」と答えている。
一方で、「天価月餅」という高額製品が毎年のように問題になっている。月餅と高級品をセットにしたり、高額なパッケージを使用したりと、ワイロの道具となっている。
このため、中国当局は月餅の規制措置を発表。月餅の包装は3層以内とし、材料に貴金属や高級木材のマホガニーを使うことを禁じた。単価500元以上(約1万円)の箱入り月餅は重点監査するとし、関連部門が検査する場合に備えて関連情報を2年間保管するよう事業者に求めている。
こうした抑制策を受け、市場で売れている箱入り月餅は100~200元(約2000~4000円)の価格帯で、包装はシンプルなものが主流となっている。(c)CNS /JCM/AFPBB News