【9月7日 CGTN Japanese】上海市の長江口の水中に眠っている中国史上最大の古代商船「長江口2号」の引き揚げと移転作業が6日、正式にスタートしました。

 清朝の同治帝(1861~1875年)時代に建造された貿易商船「長江口2号」は、中国の水中遺跡調査で発見された最大規模かつ保存状態が最も良好な木製帆船で、船内には莫大(ばくだい)な数の文化財が積まれています。沈没地点は上海市の崇明横沙島北東部の北港航路内にあり、船体は海底から5.5メートル下の位置に埋まっています。考古学調査によると、現在の船体は約38.1メートル、幅9.9メートルで、船室31室が確認されているということです。前期には、沈没船の前部と後部の計4室を対象に調査したところ、景徳鎮窯の磁器などの精巧な文化財が数多く発見されました。このほか、船内や周辺から紫砂器やベトナム製の水たばこ缶、木製バケツの破片、マスト、鉄碇、黒い鉱物など計600点余りの文化財が発見されました。

 船の引き揚げと移転作業には世界で初めて「弧状梁非接触文化財全体移転技術」を採用しました。重さ1万トン余りに及ぶ古船と周囲の土砂・海水を包み込む形で引き揚げた後、近くの別の特製引き揚げ専用作業船に移します。海上作業は2~3カ月かかる見込みです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News