【9月7日 AFP】サッカーフランス・リーグ1、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のクリストフ・ガルティエ(Christophe Galtier)監督とキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)が、気候変動を軽視するような態度を見せたことをめぐり、クラブに批判が集まっている。

 事の発端は、PSGが3-0で勝利したナント(FC Nantes)とのアウェーゲーム。ナント(Nantes)はパリから380キロの距離で、高速鉄道が通っているが、PSGは胸スポンサーのカタール航空(Qatar Airways)機でパリへ戻ったと話し、これがカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量をCO2に換算した数値)の面で問題視された。

 その後の5日に行われた記者会見では、短距離の遠征には自家用機ではなく自分たちの鉄道を使ってほしいという、フランス国鉄(SNCF)からの申し出について話し合ったかという質問が出た。これに対し、ガルティエ監督はにやけた表情を浮かべ、エムバペは体を折って笑い崩れた。

 質問に対してガルティエ監督は、フランスのビーチで人気の風で動く乗り物を引き合いに出し、「砂上ヨットで移動できるか移動を手配する会社と話したよ」と皮肉交じりに答えた。

 会見の映像はSNSですぐさま拡散され、政治家と環境活動家、さらには首相までもがこの件に言及。欧州全土がエネルギー危機と気候変動に関連した猛暑に見舞われている中で、自覚に乏しい高慢な態度だと二人を批判した。

 ガルティエ監督は、ユベントス(Juventus)に2-1で勝利した6日の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2022-23)の試合後、会見での発言を謝罪し、「私が気候変動やこの星のことを心配していると言ったら、信じてほしい。自分たちの責任は自覚している」と話し、「タイミングの悪いひどいジョークだったし、後悔している」とコメントした。

 欧州ではユベントスやリバプール(Liverpool FC)など、スペインとイタリア、イングランドという主要リーグの多くのチームが、しばしば列車で移動している。(c)AFP/Stuart WILLIAMS, Antoine GUY and Jean DECOTTE