【9月7日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は6日、飢饉(ききん)の恐れが出ているソマリアで1月以降、約730人の子どもが栄養治療センターで死亡したと発表した。実際の死者数はこれを上回る可能性があるという。

 ソマリアが位置する「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部地域は過去40年間で最悪の干ばつに見舞われており、4期連続で雨期の降水量が不足したことにより家畜や作物が死滅。多数の人々が飢餓の危機に直面している。

 ユニセフのソマリア代表を務めるワファ・サイード(Wafaa Saeed)氏は、首都モガディシオからビデオ会議を通じスイス・ジュネーブで開いた記者会見で、「栄養失調は前例のないレベルに達している」と説明。1~7月に全国の栄養治療センターで約730人の子どもの死亡が報告されたと述べた。

 サイード氏によると、子ども約150万人が急性栄養失調の危機にあり、その半数近くが5歳未満。重度の急性栄養失調の治療が必要となる子どもは38万5000人に上る見通しとされる。

 国連(UN)は5日、ソマリアがこの10年余りで2度目の飢饉に陥る可能性があり、人命を救うには一刻の猶予もないと警告していた。国連によると、同国では人口の半分に相当する約780万人が危機的な飢餓水準に達しており、約100万人が食料と水を求めて避難民化している。(c)AFP