【9月6日 AFP】テニス、四大大会(グランドスラム)の女子シングルスで歴代最多24勝を記録している往年の名選手マーガレット・コート(Margaret Court)氏(80)は、現役を引退する見通しのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)について、自身はこれまで称賛してきたものの、同等の評価を返されていないと考えている。

 2日に行われた全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)3回戦でアイラ・トムリャノビッチ(Ajla Tomljanovic、オーストラリア)に敗れ、これでキャリアに幕を閉じるとみられている40歳のセレーナは、史上最高の選手として広くたたえられている。

 しかし、グランドスラムの女子シングルス優勝回数は23となっており、男女を通じて歴代1位のコート氏にあと一つ届いていない。

 オーストラリア出身のコート氏は、豪紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)で珍しくインタビューに応じ、「セレーナのことは、選手としてたたえてきた」としつつ、「だけど、これまで彼女が私をたたえたことはないと思う」と述べた。

 現在は豪パース(Perth)で教会の牧師を務めており、同性婚に反対の声を上げるなど、人種や同性愛者に関する発言でテニス界を分断してきたコート氏。現役時代の1960年代と1970年代序盤に輝かしい記録を打ち立ててきたものの、テニス界では自身が過小評価されていると感じているという。

「特にテニス界において、マスコミやテレビがあまり私の名前を出さないので、とても悲しく思っている」

「私は今でも数々の記録を保持しているので、彼らはそうしなければならないときだけ、私の名前に言及している」

 グランドスラムのタイトル獲得数で、コート氏がシングルスとダブルス、そして混合ダブルスと合わせて計64個(WTA公式では62個)を記録しているのに対し、セレーナは計39個となっている。

 1973年にグランドスラムのシングルスで最後のタイトルを獲得しているコート氏は、「64なんて、誰も到達できないはず」とコメント。

 さらに「セレーナは自分より7年間長くプレーしてきた」とし、「私は30代前半でキャリアを終えたけれど、その前に2年ほどブランクがあったことは忘れられている。アシュリー・バーティ(Ashleigh Barty)のように、25歳のときに二度とテニスをしないつもりで一度引退した。結婚して、出産したけれど、それから全盛期を迎えて25大会で24回優勝した」と述べた。(c)AFP