【9月2日 AFP】低中所得層の生活水準の向上に注力する英有力シンクタンク、レゾリューション財団(Resolution Foundation)は1日、同国の全世帯の実質所得の中央値が今後2年間で約10%減少し、過去100年間で最大の減少幅になるとの推計を公表した。

 英国のインフレ率は現在、10.1%と40年ぶりの高水準となっているが、エネルギー価格の高騰で来年は18%以上になるとの悲観的な予測もある。

 財団は、実質所得が2022~24年度に約10%、約3000ポンド(約48万円)減少すると予測。「世界的な供給ショックとウクライナでの戦争」と、過去10年間の生産性の向上と所得の伸びの小ささを原因に挙げている。

 また、来週発表となる新政権に対し、最貧困層を対象にした公共料金などの引き下げなどを実施するよう求めた。

 財団は実質所得について、1970年代や第2次世界大戦(World War II)時よりもひどく、「過去100年間で最大」の減少幅となる見通しを示し、「厳しい冬」になると警告。24~25年度には若干増加するものの、19~20年度以降の減少分を相殺するには足りないとの見方を示した。

 ガス・電気料金の平均について、21~22年度の1500ポンド(約24万円)から23~24年度には3750ポンド(約60万円)に増加する見通し。

 絶対的貧困者は2024年までに310万人増加し、1400万人を超える見通しだという。(c)AFP