【9月2日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は1日、2022年サッカーW杯(2022 World Cup)の開催国で、人権問題に懸念があるカタールをPR活動で絶賛した元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏を批判した。

 ベッカム氏はカタール観光局(QTA)のウェブサイトに投稿された動画で、地元のアートや食べ物を体験したり、砂漠のキャンプを訪れたりし、「これは完璧だと思う」と紹介。カタールについて「短期間の滞在に本当にうってつけの場所だ」と称賛し、「子どもたちと戻ってくることが待ちきれない」と語った。

 これに対して、アムネスティ英国支部のフェリックス・ジェイケンズ(Felix Jakens)氏は「当該国の恐ろしい人権問題に何も言及していない」と批判。ベッカム氏に対し、その「唯一無二のプロフィル」を活用して、W杯会場の建設現場で働く数万人の外国人労働者が直面している「ひどい虐待」に光を当てるべきだと訴えた。

 現役時代にマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やレアル・マドリード(Real Madrid)などでプレーしたベッカム氏は昨年、1億5000万ポンド(約242億円)と伝えられる金額でカタールの広告塔に就任し、文化大使にも任命された。(c)AFP