【8月31日 AFP】英王室は31日、エリザベス女王(Queen Elizabeth II、96)の「移動に支障を来す」状態が続いていることを受け、9月6日に予定されている新首相との面会を、首都ロンドンのバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)ではなく、スコットランド北東部のバルモラル城(Balmoral Estate)で行うと発表した。

 首相との面会の儀式がロンドン中心部以外で行われるのは、女王が即位した1952年、当時のウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)首相が女王にヒースロー空港(Heathrow Airport)で謁見(えっけん)して以来となる。

 バルモラル城では、女王はまず退任するボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相を迎え、辞表を受理する。その後間もなく新首相が到着し、国家元首である女王が組閣を要請するのが伝統となっている。

 ジョンソン氏は一連のスキャンダルを理由に7月に辞任を表明。リズ・トラス(Liz Truss)外相が次期首相に指名されることが有力視されている。結果は9月5日に発表される予定。

 女王は現在、例年通りスコットランドのハイランド(Highlands)地方で夏の休暇を過ごしており、通常10月まで同地にとどまる。新首相の就任式のためにロンドンに戻る予定だったが、昨年10月に一晩入院して以降、移動の支障を訴えて公務を欠席することが増えている。(c)AFP