【8月31日 AFP】スウェーデン国立獣医学研究所は31日、同国の浜辺に6月に漂着したネズミイルカが、鳥インフルエンザにより死んだことが分かったと発表した。ネズミイルカへの鳥インフル感染が確認されたのは世界で初めてとみられている。

 研究所の獣医師は、「われわれが把握している限り、ネズミイルカの鳥インフルエンザ感染が確認された世界初の事例」であり、「この個体は鳥インフルに感染した鳥と何らかの形で接触したとみられる」と説明している。

 ネズミイルカは若い雄で、6月下旬、西部の浜辺に打ち上げられているのが見つかった。発見時はまだ生きていたため、市民が沖に戻そうと試みたものの、衰弱しておりその日の夜のうちに死んだ。この個体の複数の臓器から、鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が検出されたという。

 同獣医師は、「これまでにもインフルエンザウイルスへの感染が確認されているアシカやアザラシとは異なり、クジラ目でのインフル感染報告は片手で数えるほどしかない」と述べている。

 同研究所によると、鳥インフルウイルスは過去に、キツネやカワウソ、ヤマネコ、スカンクなどの哺乳類からも検出されている。

 欧州と北米では現在、野鳥の間で鳥インフルエンザが大流行している。(c)AFP