【8月11日 AFP】中国でトガリネズミが保有する新種のウイルスに感染した35人が症状を訴えていることが、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文で明らかになった。これまでのところ、人から人に感染するとの証拠はないという。

 同誌によると、東部の山東(Shandong)省や中部の河南(Henan)省で感染者が確認された。「LayV」と呼ばれる同ウイルスの感染者からは、発熱や倦怠(けんたい)感、せき、吐き気、頭痛といった症状が報告されている。

 研究結果は、トガリネズミがウイルスの自然宿主になっていることを示唆しているという。論文では「患者の間で密接な接触や同時にウイルスにさらされた経歴はなく、人への感染が散発的なものにとどまっていることが示されている」としている。

 ただ、調査したサンプル数は「LayVの人から人への感染状況を確認するのには少な過ぎる」とした。

 患者の大半は農業に従事しており、急激な発熱者や動物と接触経験のある人を対象とした「検知システム」の存在により、今回のケースが判明したという。(c)AFP