【8月31日 AFP】英動物愛護団体は30日、今年1~7月のペットの遺棄件数が前年同期比で24%増加したと発表した。物価の高騰に加え、新型コロナウイルス流行下でペットを飼う人が一時的に急増していたことが原因だと指摘し、警鐘を鳴らしている。

 王立動物虐待防止協会(RSPCA)によると、今年1~7月のペットの遺棄件数は2万2908件で、前年同期の1万8375件と比較して大幅に増加した。

 同協会は、コロナ感染拡大の影響に加え、危機的な物価高が飼い主の家計を圧迫し、飼育放棄の急増につながっているとみている。

 英国ではインフレ率が2桁に上り、過去40年で最も高い水準となっている。RSPCAの調査では、飼い主の約5分の1が、ペットのえさをどう工面するかで悩んでいるという。

 また、猫の保護団体「キャッツ・プロテクション(Cats Protection)」も、今年7月に里親センターへの入所を待つ猫の数が前年同月比で46%増と記録的な水準に上ったことを受け、緊急の嘆願に乗り出している。

 コロナ規制が解除された昨年のペット遺棄件数は17%増の3万8087件に上り、特に犬が1万4462匹、猫が1万51匹と最大の影響を受けた。犬猫以外は3363件で、うち魚が1455匹、ヘビが685匹だった。(c)AFP/James PHEBY