【8月30日 AFP】中国から台湾の金門群島(Kinmen Islands)にドローンが飛来する事例が増加している。これを受けて台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は30日、「強力な対抗措置」を講じると述べた。

 中台のソーシャルメディアには、中国から数キロしか離れていない金門群島を中国のドローンが撮影した動画や写真が多数投稿され、中には台湾軍の兵士がドローンに投石する様子を捉えたものもある。

 澎湖(Penghu)諸島の空軍施設を訪問した蔡総統は、中国は台湾に対する「軍事的脅迫」を継続するために、ドローンを飛ばすなどの「グレーゾーン」戦略を取っていると指摘した。

 これに対し中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は同日、ドローンは「中国の領土付近を飛んでいた」のであり、「騒ぎ立てる価値のあるものではない」との考えを示した。

 中国政府は、今月初旬のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長の訪台を受けて大規模な軍事演習を実施。金門群島へのドローンの飛来はこの時期に増加した。

 ただし、誰がドローンを飛ばしているのかは不明。金門群島は中国沿岸部から近いため、市民が民生用ドローンを飛ばすことも容易だ。

 台湾国防部(国防省)はこれまで、ドローンを追い払うために照明弾で対応してきた。しかし、今後は「必要な対策」を講じ、撃ち落とすことも辞さない構えを示している。(c)AFP