【8月30日 AFP】電子部品大手京セラ(Kyocera)の創業者で、経営破綻した日本航空(JAL)の再建にも尽力した稲盛和夫(Kazuo Inamori)名誉会長が24日、老衰のため、京都市内の自宅で亡くなった。90歳。京セラが30日、明らかにした。

 稲盛氏は、日本で最も尊敬を集める実業家の一人。京セラのほか、現在の携帯電話大手KDDIの前身会社の一つ、第二電電(DDI)も設立した。

 日本政府は2010年、事実上引退していた稲盛氏に対し、経営破綻した日本航空を率いるよう要請。当時、78歳だった同氏は、航空業界では「完全なアマチュア」だが、「最善を尽くす」と確約した。稲盛氏の改革は実を結び、日本航空は2012年、経営破綻に伴う上場廃止から3年足らずで東京証券取引所に再上場した。

 政府の介入を抑制することを支持し、会社を小さな独立採算の組織に分ける「アメーバ経営」理論で知られた。

 慈善家でもあり、米アルフレッド大学(Alfred University)には、稲盛氏の名前を冠した工学部もある。1997年に臨済宗の僧侶となった。(c)AFP