ハンガリー、ロシア製原子炉2基新設計画に着工へ
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【8月27日 AFP】ハンガリーは26日、ロシア国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)による原子炉2基の新設計画について、規制当局が25日に承認したことを受け、数週間以内に着工する方針を発表した。契約は2014年に結ばれたが、承認は何度も先送りにされていた。
首都ブダペスト南方にある同国唯一の原子力発電所、パクシュ(Paks)原発に出力1200メガワットの原子炉を2基建設。既に4基が稼働している同原発の発電容量を倍以上に増強する。
同原発は旧ソ連時代の技術で1980年代に建設され、国内の電力需要の約40%を賄っている。
ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル(Peter Szijjarto)外務貿易相は「大きな一歩であり、重要な節目となる」とフェイスブック(Facebook)に投稿した。
「ハンガリーのエネルギー安全保障を長期的に確保し、エネルギー価格の乱高下から国民を守る」とシーヤールトー氏は述べ、2030年までの稼働を目指すとしている。
原子炉新設計画の進展は、ナショナリストのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との緊密な関係を改めて浮き彫りにした。
総工費は125億ユーロ(約1兆7000億円)。ハンガリーは25億ユーロ(約3000億円)を負担し、ロシアから100億ユーロ(約1兆4000億円)の融資を受ける。
同じく欧州連合(EU)加盟国のフィンランドは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、5月にロスアトムの原発建設計画を中止した。(c)AFP