【8月28日 AFP】人類の月面再訪を目指す米航空宇宙局(NASA)の有人月面着陸計画「アルテミス(Artemis)」の第一弾として、無人試験飛行「アルテミス1(Artemis 1)」ミッションの打ち上げが現地時間29日午前8時33分(日本時間同日午後9時33分)に予定されている。

 世界最強の打ち上げ能力を持つ新大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」による初の打ち上げとなる。SLSは、宇宙飛行士が搭乗できるカプセル型宇宙船「オリオン(Orion)」を月周回軌道に送り込む。

 オリオンは月を越えて、これまでの有人宇宙船が到達したことのない月の向こう側6万4000キロの距離まで飛行する。宇宙空間に42日間滞在し、地球に帰還する予定だ。

 時速4万キロで地球大気圏に再突入する際、オリオンの熱シールドは太陽の表面温度の約半分にまで達する高温に耐えなければならない。

 2024年に実施されるアルテミス2ミッションでは、宇宙飛行士を月周回軌道まで運ぶが、月面着陸は行わない予定。その栄誉に浴するのは、早くても2025年に実施予定のアルテミス3ミッションに持ち越されるだろう。

 アルテミス計画の目的は、人類を火星に送り込むための技術を開発する準備基地として月を利用することだ。

 アルテミス1ミッションの打ち上げが悪天候で延期される場合の予備日は、9月2日と5日となっている。(c)AFP